



私たちは
マウンテンバイク活用社会を実現し、
地方創生に貢献します。
MTB活用社会推進連絡協議会
設立背景
世界の多くの先進国において、マウンテンバイク(以下「MTB」)は、日常的なレジャーとして広く社会に定着しており、全自転車販売台数の約半数を占めるなど、人々の暮らしに深く根付いた存在となっています。人口の数%〜10%が日常的にMTBを楽しむ国も少なくなく、制度面でも公園や山道が法的に走行可能なフィールドとして明確に位置づけられ、公的資金を活用した整備・運用体制が確立されています。
一方、日本においては、MTB人口は全体の0.01%未満と推定されており、制度面・社会的認知ともに大きな遅れがあります。法制度が整備されていないことにより、山道や森林空間といった貴重な地域資源をMTBの視点から有効に活用することが困難な状況が続いています。
こうした背景のもと、私たちは、MTBを単なるレジャーとしてではなく、森林空間の活用や地域資源の再評価、交通空白地の解消、そして関係人口の創出といった、地域が直面する多様な課題解決の有力な手段として捉え直す必要があると考えています。
特に、日本各地に存在する山道は、かつて生活道や信仰の道として利用されてきた歴史的資産であり、地域文化と人々の営みを支えてきた重要な空間です。近年では登山やトレイルランニングと並び、MTBも自然体験・健康増進・教育活動の手段として注目されていますが、制度の未整備により、利活用や維持管理が著しく困難になっています。また、全国的に山道の管理担い手が高齢化・減少しており、その維持体制は危機的状況にあります。
こうした中、MTBによる機動的な巡視・整備活動は、山道の健全な維持管理に大きく貢献し得るものであり、地域住民や来訪者が協働することで、関係人口の創出や地域との新たなつながりを生む可能性を秘めています。
さらに、全国各地に点在する公園や競輪場、廃校などの公共施設を、自転車教育・体験拠点として整備することにより、森林空間への導入的な場とすることができます。こうした場を活用した交通安全教育や実践的な自転車教育は、子どもたちの健全な育成に寄与するとともに、次世代を育む土壌を地域に根づかせるものです。
MTBを活用したこのような取り組みは、単にスポーツや観光の枠にとどまらず、健康増進、獣害対策、防災、地域防犯、交通空白地の解消、移住・定住の促進といった、地方創生に関わる多面的な課題に対して横断的に作用するものであり、地域の未来を担う次世代につなぐべき重要な社会的取り組みであると確信しています。
以上の認識のもと、私たちは、地域における先進的な実践を広域でつなぎ、政策提言と制度化を進める仕組みとして、本協議会を設立するに至りました。MTBを軸とした新しい地域共創のモデルを確立し、森林空間を活かしながら、地域の未来を築き、次世代へと持続的につないでいくことを目指してまいります。



設立目的
-
官民が連携し、公共の山道や公共施設の自転車(特にMTB)を含む多様な利活用を促進し、持続的な維持管理が可能となる社会的な仕組みを築く。
-
災害時における機動的な移動・連絡手段としての自転車(特にMTB)の活用体制の整備する。
-
教育にMTB乗車技術を取り入れ、自然との関わりや判断力・自己管理力の育成を通じて、子どもたちの健全な成長やふるさと回帰、自転車交通安全を促進する。
-
森林空間活用、防犯、観光高付加価値化、関係人口増、交通空白解消、フェーズフリー社会、二酸化炭素排出量削減、地域経済活性、若者や女性にとっての魅力的なまちづくり、不登校対策、獣害対策等にMTBを通じて貢献する。
-
MTBを活用した様々な先進事例の調査研究、それらを取りまとめた事例集や手引きなどの科学的・社会的エビデンスの蓄積をする。
-
MTB活用社会を推進するために必要な政策、制度、予算を実現する。
MTB活用社会推進連絡協議会ビジョンマップ

MTB活用推進には
「MTB導入拠点」と「山道トレイル網」の
セットとなる環境が必要不可欠
■MTB導入拠点
初心者がMTBに初めて触れ、MTB体験し、MTB基礎スキルを身につけ、山林内の長大な山道トレイル網のMTB走行に興味を持ち始めるための導入拠点
■山道トレイル網
MTB導入拠点でMTBの基礎を身につけた人々が、いよいよMTBの本来の体験ができる何本もの長い山道で構成される広大な数十~数百kmの山道トレイル網

活動内容
-
各地域の協議会メンバーによるMTB活用社会モデル(先進事例)の構築
-
行政、研究者、企業、市民団体等による連携体制の整備
-
MTBによる山道の利活用に関するガイドライン・維持管理手法等の整備
-
先進事例の調査研究および情報収集、交流ネットワークの構築
-
構築された先進事例や収集されたエビデンスに基づく政策提言、制度化や予算化の働きかけ



先進事例

MTB団体として初となる自治体「市川三郷町」との包括連携協定を締結し、自治体や地域住民、企業等と連携し、MTBを活用したまちづくりに貢献している。

山梨県市川三郷町の都市公園「市川公園」を30数年ぶりに、自治体、地域住民、企業、団体と協力しリニューアルし、9本のMTBコースや17サイトのキャンプ場などを設置し、MTB法人が指定管理を担う。

市川三郷町では、学校教育でMTB乗車技術を学び、SDGsの社会科見学を授業に取り入れている。

週末になると家族連れが訪れ、家族全員がそれぞれ公園内でマウンテンバイクを体験し、自然歴史文化に触れている。

山守人と包括連携協定を締結している市川三郷町では、公共の山道をMTBで走行し、自然歴史文化の体験や観光、獣害対策につなげている。

山梨県内ではMTB団体「山守人」が登山道整備を行い、山道の多様な利用環境づくりや維持管理に貢献している。地域住民や企業の山道整備体験の機会も創出している。

景勝地の甲府市昇仙峡では、閑 散期のロープウェイをMTBで活用し、さらに周辺登山道を整備し、MTB走行する中で、日本遺産の魅力に触れ、観光にもつなげている。

山梨県森林公園「金川の森」のMTBコースを改修し、定期的にMTB教室を開き、多くの地域住民にMTBを通じて自然の豊かさを伝えるとともに、子供たちの健全な成長や健康増進の機会を創出している。

北海道上川町では、MTBを活用し、地域の森林や林業に触れ、地域住民の自然に触れる機会を作るとともに、観光にも貢献している。
構成団体

お問合せ
マウンテンバイクや山道、それらを活かした山林活用や地域づくり、先進事例のご紹介や政策制度に関することなど、あらゆるご相談を受け付けます。安心安全なMTB環境の視察やMTB体験も承っております。お気軽にお問合せください。